2008年11月4日火曜日

祝杯

西海岸時間の午後8時ちょっと前,
カリスマ美容室のサロンを出て車に乗るといつも聞いている公共ラジオ局が「当ラジオ局はオバマ候補の勝利を確実とみなしました」と。

8時10分頃「マケイン候補がオバマに電話して敗北を認めたそうです」と。

8時半,家に着くとテレビでマケインが支持者に向かって敗北スピーチをしていました。
オバマの人物を称え,昨日亡くなったオバマのおばあさんのことにも触れ,支持者に対し,共にオバマの勝利を祝い国の立て直しに協力してあたろうではないか、と静かに語る姿はなかなか威厳がありました。
この辺までは彼のこの選挙戦中の演説の中で一番すばらしいものだったと言えましょう。

「乾杯だね」
「乾杯だ」
山男と二人ワイングラスを傾けました。

そして,たった今,オバマの勝利演説が終りました。

メディアでも人々の雑談でも「オバマが勝利したらそれはアメリカの歴史にとって非常に大きなことだ」ということは繰り返し語られてきました。
オバマがアフリカ系アメリカ人であることが争点なのではない,ということも繰り返し語られてきました。
そして私にとっては,共和党の国民不在の政権を終わりにできるのかアメリカは,という関心で見つめていた選挙でした。
(つまり,オバマであってもヒラリーであっても私には大きな違いはなかったんです。)

それが、
勝利演説の舞台に立ったオバマファミリーを見た時,
バラク・オバマとミシェル・オバマと可愛い二人の娘たちというまったく黒人の四人家族が他に誰もいない大きな舞台に立った時,
そしてそれを迎える喜びに満ちた大観衆を見た時,

「アメリカって,本当にここまで来たのか。ここまで来たんだ」

と、やはりこれはアフリカ系アメリカ人にとってのまったく新しいアメリカ史の始まりを意味する選挙だったんだ,ということがしみじみと感じられました。
世論調査でオバマのリードが繰り返し伝えられても「実はやはり勝てないのではないか。黒人だから」という意見も繰り返し聞かれました。
でも、結果はその懸念を越えてくれました。

白人も黒人も若者も老人も多くの人々が涙を浮かべてオバマの演説を聞き入っている様が映し出されました。(そういえばアジア人やラテン系の人々は映らなかったなあ。。)
ジャクソン師もオプラ・ウィンフリーもまったく一般聴衆の一部といった感じでさりげなく映っておりました。
いずれも感に堪えないという表情で。

オバマ君はまったく演説上手です。
「上手やねー」とつぶやきながら,私はそのうまさを楽しむことにつとめました。

彼の勝利は私個人にとっては,これからもアメリカに住んでいても大丈夫かもしれない,という希望の勝利だったからです。
アメリカ人の良識が形になって現れることができるということが証明されたからです。
4年前の落胆が大きかっただけに最後まで世論調査のリードを素直に信じられなかったのは私だけではなかったと思います。
今日の選挙で固いと思われていた共和党の代議員や州知事候補たちが数々の負けを喫しました。
アメリカは明らかに変化を求めていたのです。

オバマ氏は聖職者でも教祖様でもなくただの政治家であり、私は大統領になるほどの名誉欲,権力欲を持ったような方々とは個人的にお近づきになりたいような気持ちにはなりませんが,彼の立候補と勝利は明らかに多くの人々に希望をもたらしました。
その勇気と闘志を備えた人物が表舞台に現れたことを素直に喜びたいと思います。

これから実際どうなっていくのか,それをまた見守っていかなければなりません。
でも,確かに今日は新しいアメリカの始まりの日であると言えるでしょう。

ああ,しかしカリフォルニア州のprop8はどうなるんだ。。。。
それはまた後日。

3 件のコメント:

orihime さんのコメント...

かんぱーい!

こちらでは、お昼過ぎのニュースでした。私もマケインさんの演説には、今回、はじめて感動しましたよ♪なかなか、味のあるおっさんじゃーないですか?

オバマ氏の演説は、残念ながら仕事でライブでは見られませんでしたが、山女さんと似たような感慨を今回,感じました。

アメリカの底力。

Mr.Smith goes to Washingtonの明るいアメリカが見えた一日でした。

それにしても、彼の演説は、名人芸ですね。ある種、天才。座布団100枚。

おりひめ

chiblits さんのコメント...

私はヒラリーさんが敗れた時点で今度も民主党が勝てる事はないと思ったのです。 アフリカンアメリカンが大統領になるって未だアメリカはそこまで来ていないんじゃないかって思って。見事覆されました。嬉しかったです。 

山女 さんのコメント...

おりひめさん、chiblitsさん、

すみません、なんだかお二人のコメントが妙なところに入っていて、今まで気づきませんでした。
こんなに遅くなってごめんなさい。

おりひめさん、彼の演説は名人芸、って昨日の就任演説でもそう思いました。中身というよりもパフォーマンス。よく練られた交響曲のような展開。もっと聞きたいと思わせる。まさしく名人の芸/技能に酔いしれるファンの心持ちです。

Chiblitsさん、アフリカンアメリカンの歴史を思うと、まったく感無量ですよね。人間の世の中は確かに時代に連れていい方に向かっているのだってことの実証だと思いました。あきらめちゃいけないって。