2008年12月13日土曜日

試験














ただいま期末試験の真っ最中です。
私は受ける側ではなく行う側なんですけど。

何年もやってますが、未だに毎回反省しきり。
試験っていうのは何のためにやるのかというと学生を懲らしめるためにやるのでは決してありません。本当です。
それはやっぱり習ったことがきちんと身に付いているのかということを見るためにやるというのが一般的な目的なのでしょうけれど、長年やってきて気がついたことは、試験というものはそれを受けることによってそこで学習が起こりうる道具なのだということです。

もうひとつ考えていることは「ううっ、やられた!」と思われるようなテストではなく、「ああ、勉強してきてよかった。これからもがんばるぞ!」と思ってもらえるようなテストを作っていかなきゃなあ、ということです。

何でこんなことをうだうだ考えているかというと、どうやら今回のテストは「ううっ、やられた!」に近かったかな、、、、とちょっと心が痛んでいるからです。はい。

勉強してきたことがちゃんと得点と達成感に結びついて、なおかつ知的に刺激されてちょっと高揚感を覚えながら時間を過ごせる。受ける人が「ほほう、そう来ましたか。ふっふっふ」なんて楽しんでくれたらうれしい。
サウイフ試験ヲ私ハツクリタイ。

今日は珍しく雨。
雨にも負けずがんばります。

2008年11月4日火曜日

祝杯

西海岸時間の午後8時ちょっと前,
カリスマ美容室のサロンを出て車に乗るといつも聞いている公共ラジオ局が「当ラジオ局はオバマ候補の勝利を確実とみなしました」と。

8時10分頃「マケイン候補がオバマに電話して敗北を認めたそうです」と。

8時半,家に着くとテレビでマケインが支持者に向かって敗北スピーチをしていました。
オバマの人物を称え,昨日亡くなったオバマのおばあさんのことにも触れ,支持者に対し,共にオバマの勝利を祝い国の立て直しに協力してあたろうではないか、と静かに語る姿はなかなか威厳がありました。
この辺までは彼のこの選挙戦中の演説の中で一番すばらしいものだったと言えましょう。

「乾杯だね」
「乾杯だ」
山男と二人ワイングラスを傾けました。

そして,たった今,オバマの勝利演説が終りました。

メディアでも人々の雑談でも「オバマが勝利したらそれはアメリカの歴史にとって非常に大きなことだ」ということは繰り返し語られてきました。
オバマがアフリカ系アメリカ人であることが争点なのではない,ということも繰り返し語られてきました。
そして私にとっては,共和党の国民不在の政権を終わりにできるのかアメリカは,という関心で見つめていた選挙でした。
(つまり,オバマであってもヒラリーであっても私には大きな違いはなかったんです。)

それが、
勝利演説の舞台に立ったオバマファミリーを見た時,
バラク・オバマとミシェル・オバマと可愛い二人の娘たちというまったく黒人の四人家族が他に誰もいない大きな舞台に立った時,
そしてそれを迎える喜びに満ちた大観衆を見た時,

「アメリカって,本当にここまで来たのか。ここまで来たんだ」

と、やはりこれはアフリカ系アメリカ人にとってのまったく新しいアメリカ史の始まりを意味する選挙だったんだ,ということがしみじみと感じられました。
世論調査でオバマのリードが繰り返し伝えられても「実はやはり勝てないのではないか。黒人だから」という意見も繰り返し聞かれました。
でも、結果はその懸念を越えてくれました。

白人も黒人も若者も老人も多くの人々が涙を浮かべてオバマの演説を聞き入っている様が映し出されました。(そういえばアジア人やラテン系の人々は映らなかったなあ。。)
ジャクソン師もオプラ・ウィンフリーもまったく一般聴衆の一部といった感じでさりげなく映っておりました。
いずれも感に堪えないという表情で。

オバマ君はまったく演説上手です。
「上手やねー」とつぶやきながら,私はそのうまさを楽しむことにつとめました。

彼の勝利は私個人にとっては,これからもアメリカに住んでいても大丈夫かもしれない,という希望の勝利だったからです。
アメリカ人の良識が形になって現れることができるということが証明されたからです。
4年前の落胆が大きかっただけに最後まで世論調査のリードを素直に信じられなかったのは私だけではなかったと思います。
今日の選挙で固いと思われていた共和党の代議員や州知事候補たちが数々の負けを喫しました。
アメリカは明らかに変化を求めていたのです。

オバマ氏は聖職者でも教祖様でもなくただの政治家であり、私は大統領になるほどの名誉欲,権力欲を持ったような方々とは個人的にお近づきになりたいような気持ちにはなりませんが,彼の立候補と勝利は明らかに多くの人々に希望をもたらしました。
その勇気と闘志を備えた人物が表舞台に現れたことを素直に喜びたいと思います。

これから実際どうなっていくのか,それをまた見守っていかなければなりません。
でも,確かに今日は新しいアメリカの始まりの日であると言えるでしょう。

ああ,しかしカリフォルニア州のprop8はどうなるんだ。。。。
それはまた後日。

2008年10月16日木曜日

ないわけではない

「智恵子は東京に空がないと言う」
と哀しく呟いたのは高村光太郎ですが、

「山女はこの街に空がないと言う」
と思わず呟いてしまった今朝の私でした。

いや、空はありますよ。
あるんですがね。












今朝7時前にキッチンの小窓からきれいな朝焼けが見えたので、あわててカメラを持って表に飛び出してはみたものの。。。。
「ああ、この街には空がない。電線から自由な空がない」
というわけで、こんな変な角度の写真になってしまいました。
おまけに電線を避けてる間にきれいな色はどんどん薄くなってしまってこんなぼやけた色に。
しかもやっぱり端っこに写ってるがな、電線!

20メートルぐらい歩いて交差点まで行けばまあ、もっと広い空があるのですが、何しろパジャマに黒い革靴にカメラという変質者のような格好でしたので遠出(20m!)もはばかられ。。。
とかうじうじしてたらきっちり隣のおじさん(あ、私より若いのか)が犬の散歩をさせてるのに出くわしました。
驚かせてすみません!

そして、いつものように1時間の車の旅を終えて勤務先に着きましたら、あら、あらあら!
「南カリフォルニアには紅葉がない」というのも私の口癖、、、というか単なる事実ですが、
あらあらまあ、こんなところにこんなに控えめな紅葉が。













友人じょうちゃんがこないだ東部から中西部にかけてのみごとな紅葉の写真を載せていて「ああ、うらやましい」とため息をついていた私でしたが、まあ、こんなしょぼいレベルの紅葉でもやっぱり和めるものですね。

一日の間に朝は暖房で汗をかき、昼間は冷房でふるえ上がる、と季節感のすっとぼけたこの土地でも秋は少しずつ深まっています。
紅葉の美しい地域の人々は今1週間の秋休みだそうです。
うらやむまい。いじけまい。
そろそろ肩掛けの出番です。

2008年10月12日日曜日

北の国から

ひょんなご縁で北の国オホーツクの辺りにお友達が数人います。
いや別にラッコとかアザラシとかではないですよ。
すてきな人たちです。

そのうちのひとりがこんなバッグを送ってくださいました。












この「お友達」と呼ぶのはもったいないようなすてきなお姉様は裂き織りのグループに入っておられて、古い着物をほどいて裂いて織物にして再生するということを趣味にしてらっしゃるんです。

私が以前「オレンジが好き」と口走ったのをちゃんと覚えていてくださって、裂いて、織って、そして何とまた染め直してこんなきれいなバッグを作って送ってくださったんです。
私の仕事のことを考えて、ちょうど学生たちの宿題が入る大きさに。
布がしっかりしているからラップトップを入れるのにもちょうどいいです。

そして何ともう一つ。













これは帯だったんですって。
これはファスナーやポケットがついているショルダーバッグで、お出かけ用ですな。
なんかかんか入れてもパンパンにはならない、もっと入れていいよ〜ってふんわりした感じが心地よい。

そしてファスナーの両端の処理が何ともかわいい。












どちらのバッグももったいないので毎日は使いません。
でも週に3回ぐらいは使ってる。
持つととっても温かい。
忙しい中、思い出しては手を動かしてそしてはるばる海の向こうまで送ってくださったんだなあ、と思うとしみじみ嬉しい。
バッグって、手に持ったり、肩にかけて体に沿っていたり、そんな風に肌に触れる部分が多いので、よけい温かみを感じるんでしょうね。
持つたびににやにやしてます。

私も高校の時はちょこちょこいろんなバッグを作ってたもんだけど、その後は縫い物は全く。
何か作ってみようかなあ。

2008年9月29日月曜日

2008年前半 =山=

「よそ見しながら」日記、あちらで1度書いてそれきりになっていました。
今回,こちらから再開です。
どうぞよろしく。

ま,いずれにしても山日記なわけですが,そう言い切るには恥ずかしいほど山とご無沙汰しています。
それでも,行った山は愛しい。
というわけで,ブログ再開にあたり,今年行った山を一気にご紹介。


1月12日 ボルディー山 Mt. Baldy












ロサンゼルス郡の最高峰、標高10,064フィート(3067.5メートル)に行ってきました。
この山は家から登山口まで1時間半という近場である上に、そこそこきつい山であり,1万フィートを超えているというので,「山に行きたいけど遠出はできない」という時に登りにきます。
標高の高い山に行く前のトレーニングにも使います。

この日はご覧の通り雪、雪。
しかも久しぶりの山だったのでばて気味で頂上まで辿り着けませんでした。とほほ。
まあ,いつでもまた来られる山だから,なんて思うと「今日はこの辺でいっか」なんていい気になっちゃうんですよね。


3月15日 ストロベリー山 Strawberry Peak












これも近場のよく行く山です。
表から行くと岩場をよじ登るのが楽しく,裏から行くと松ぼっくりの転がる眺めのいい稜線を歩くのが気持ちのいい山です。
標高6,164フィート(1,878.8メートル)。
この日は裏から行きました。
帰りには小雪がちらつく寒い日でした。


4月15日 サン・ゴルゴニオ山 San Gorgonio Mountain












この山も比較的近場。3回目です。
南カリフォルニアの最高峰。標高11,499フィート(3,505m)。
雪、雪、雪。
アイゼンとスパッツを付けての長いハイキングでした。傾斜も急だし。よ〜く気をつけていないと滑り落ちそうな雪の登りでした。
でも快晴の雪山は本当にきれい。
長過ぎる〜、もう嫌だ〜と言いながら、稜線に出た時の気分は爽快でした。稜線手前のガレ場では、もう二度と来るもんかと思わされましたが。
実際、このルートではもう行かないかなあ。。。。


5月20日 大文字山












いきなり京都です。
標高466メートル(1529フィート)なんて、そんなへなちょこな山。。。と思ったのですが、けっこう登りがいもあり、道にも迷いそうになり、山を下りたら天岩戸やら天照大神神社やらあって、なかなか思い出に残る山行になりました。
へなちょこ山なので小学校や幼稚園の遠足ルートになっているらしく、小さい人たちとの交流が嬉しかったです。
四年生は大文字山の歴史なんかに答えながら登って行くというお題を与えられており、「答え教えてほしいなー」なんて話しかけられたのですが、知るわきゃないやろ、ほとんどガイジン気分なんやから。
写真の中に下駄の歯みたいなコンクリートが点々とあるのが見えますか。(クリックすると拡大できます)
大の字の一部です。


6月7〜8日 ジョーダン温泉 Jordan Hot Springs












なんだかんだ言ってここも2度目ですなあ。
今年初めてのバックパッキングでした。
写真の場所は登山口から1時間ぐらいのところにあるCasa Vieja(古い家)という草地。時期が来ると毎年牛が放牧されるところです。去年は同じ場所で元気に走り回ってる牛を見たなあ。
Jordan Hot Springsというぐらいですから、温泉なんですよ、もちろん。川の中に温かい(熱い)お湯が沸いているところが何カ所もあるんです。
以前はちゃんとした湯船があってゆっくり浸かれたそうなんですが、森林局に湯船を壊されてしまって(全て自然のままに、ということらしい)、前回も今回も「なんとか浸かれないかなあ」と工夫を凝らす、というのが遊びの一つになっています。
今回は相方=山男がショベルで硫黄の垢を一生懸命掬っていました。


6月13〜15日 パイユート峠 Piute Pass












2泊3日のバックパッキングです。
シエラの山は、そして湖はどこに行っても美しい。
雪道を歩くのは好きじゃないんですが、それでも何度も来たくなる。ああ、生きててよかったと思わせてくれます。
今回はパイユート湖の湖畔で2泊キャンプ。
中日はパイユート峠(標高11,300フィート=3,444メートル)を越えてハンフリー盆地(Humphreys Basin)のデソレーション湖まで。キャンプ地にも一部雪が積もっていたので、冷蔵庫代わりに食べ物を埋めておいたら、日中に雪が緩んでしまい、リスに食べ物をやられるというハプニングもありましたが、夕食には山男が釣ったトラウトもおいしくいただきました。
写真はキャンプ地パイユート湖畔の夕暮れ。


7月20日 ドラー湖 Dollar Lake












どこ?
って、いやー、またまたゴルゴニオです。
シエラ・クラブの新人トレーニング用のバックパッキングにお伴。
1日目はテントを張った後、近くの岩場で岩登り(よじ登りです。ロープは使わない)の練習。二日目は本格的によじ登ってどこやらの頂上を二つ攻める、という予定でしたが、朝ご飯を食べ終わった頃に雷雨。急遽テントを畳んで下山ということになりました。
写真は雨上がりの青空。


8月4〜6日 ヨセミテ国立公園 Yosemite National Park












ヨセミテもよく行きますが、全然飽きません。
行けば行くほどもっと行きたくなる。
あのモコモコとした花崗岩とその間を縫うように流れる水、滝、湖に惹き付けられています。
今回は直前に起こった山火事のせいか、キャンプ場にキャンセルが出て、クレイン・フラットのキャンプ場に予約して泊まることができました。車を乗り入れてのキャンプです。
東京から来た姪二人を連れて、初日はマリポサ・グローブでジャイアントセコイアの森を歩き回り、二日目はミストトレイルからバーナル滝、ネバダ滝へ。ネバダ滝は上まで上がるのはやめて、滝壺の下流で水遊び。ああ、夏休み、、、と実感させてくれる川遊びでした。
写真は三日目タイオガロードから見たテナヤ湖。
3年前の3泊4日のバックパッキングの時に膝まで浸かって気持ちよかったことを思い出しました。


9月13〜14日 オニオン・バレー Onion Valley












これも車でのキャンプ。
車4台、総勢10名と1匹の大グループでにぎやかなキャンプでした。
一日目の昼間は各自思い思いに過ごし、4時から大晩ごはん大会。
いやー、食った、飲んだ。
アメリカのキャンプ場で大きなスルメを焼くというのも贅沢なもんです。ふふふ。

二日目は全員でギルバート湖(Gilbert Lake 標高10,417フィート=3,175メートル)へハイキング。
シエラの山登りの私の一番の楽しみは湖を泳ぐ魚を眺めている時間。
心がたゆたゆと安らいで広がって行く感じがします。
この湖にもたくさんの魚が。
でも、これは釣りを楽しむ人たちのために放流された魚なんですって。釣り客が多いので、魚が人慣れしててかかってくれないって山男がぼやいてました。
写真はそのギルバート湖の特等席の大岩でランチを食べる仲間たち。

以上が今年のこれまでの山行です。
いや〜〜〜、今年は少ないなあ。
もっと行かなきゃ!